第29章 けが
「もう、あなたが泣くと私までもが····」
ぼろっ
「彩華····(涙)」
「泣いてしまいますよ?」
「ヌヌヌー···」
「ありがとうジョンくん、勉強で分からない所が解決しなくてくやしいだけよ」
「別れる前にもう一度」
「ロナルドさん?」
ぎゅっ
「····俺がいるから」
◆◆◆
ててて
ひょい
「ヌー」
「····丸か、今日はいないんだな」
ててて
なで、なで····。
「最初に撫でられた小さな手、そこから丸は彩華を連れてきたんだよな···全く人間とはわかんね···。」
なで、なで···。
「どうして吸血鬼は人間と共に共存している、吸血鬼は人間に畏怖されるべきだ···でも不思議だな。丸よ···俺は彩華の事は嫌いにはなれないんだ」
「···ヌヌ」
「それは、あなたがジョンくんのお友達だからですよナギリさん」
「ーー!?」
「体調はいかがですか?今日は渡すものがありまして」
「なっ!//何故来た···昨日噛んだろ···」
「そう!それで」
がさっ