【R18】私の心は私のもの【リヴァイ/進撃の巨人】
第3章 次の日
さっきまで泣きそうな声で乱れていたポーラとは、まるで別人だった。
「ですが兵長。
心臓を捧げ、身体を使われても、私の心は私のものです」
数秒、呆気に取られていたと思う。
沈黙が流れた。
ようやく捻り出せたのは、ハッという乾いた笑い声と、何とも愛想のない突き放すような台詞だった。
「好きにしろ。
てめえの心なんざ、重たくて堪らねえ」
ニコッ、とポーラが微笑んだ。
それが不意に美しく、切なく感じられた。
望んだ結果、望んだ答えだと思う。
だが自分の中で、心が不安定に揺れているのがわかった。
全部を見透かすようなポーラの目が、心を閉ざすようなポーラの声が、俺の心の奥底を刺激する。
まるでなみなみに水を注がれたグラスのように、揺れて零れて落ちてしまいそうで不安になる。
それが何故なのかは、最後までわからなかった。
こうして俺とこいつの、奇妙な関係が始まった。