【R18】私の心は私のもの【リヴァイ/進撃の巨人】
第1章 それより前の日
850年
突如現れた唯一の天敵・巨人の出現により、人類は壁の中へと生活圏を狭められた。
以来人々は100年以上壁の中に守られ、慎ましく穏やかに生活している。
ウォールローゼ内、トロスト区
調査兵団本部
よく晴れた空の下、日差しが肌を焦がすのを感じながら舗装された道を歩く。
俺も隣を歩くエルドも手にはいくつかの書類を抱えている。
今から団長室へ行かなければならない。
俺たち兵団幹部は3ヶ月後に控えた壁外遠征の準備に追われていた。
「兵長おはようございます」
「リヴァイ兵長、エルドさん」
「おはようございます!」
すれ違う兵士が口々に挨拶をする。
律儀な者は立ち止まって短く敬礼する。
一人一人に軽く返事を返して歩いて行く。
「兵長、次の作戦での人員配置ですが…」
「ああ。イヴァンの件だな」
「はい。明日の会議ではそれについても言及されるみたいですが」
「なら今日の夕方には結論を出さねえとな」
足早に歩く中、エルドと仕事の話をする。
気温が高い。
兵団の中庭を横切るだけで照りつける日差しや滲み出る汗が鬱陶しく感じる。