【R18】私の心は私のもの【リヴァイ/進撃の巨人】
第14章 それからの日々を
クイっと顎でエマを指せば、当の本人はそれに気付くことなく、エルドに目を輝かせながら自己紹介をしていた。
「アイツ、俺に振られたあと『じゃあ誰か男を紹介しろ』と詰め寄ってきやがった」
「え、本当ですか?」
エマから説教を喰らったときのことを思い出す。
『兵長、わかっているとは思いますが
私をベッドに誘ったこと、ポーラに知られてはいけませんよ』
『ああ…』
『ポーラには、私から告白されたと言ってください』
『あ?』
『きっと部屋に戻るのが遅い私を、ポーラは心配している頃だと思います。
このあと私が兵長の部屋に行くようポーラに促せても、ポーラは何故私がそんなこと言うのか理由を知りたがるでしょう。
私が兵長に告白した、でも兵長はポーラが好きだと断った、じゃあポーラ今から兵長の部屋に行ってきなさい、これでいいじゃないですか』
『そりゃあ話が繋がるが…でもテメェはそれでいいのか?』
『良いんです』
『俺が悪いのに、お前が泥を被るのか』
『そんな小さなことお気になさるようでしたら、私にどなたか殿方を紹介してくださいね』
『はあ?』
『そうしたらポーラは、私に気兼ねせず貴方を愛せるから』
強かなエマの提案は、俺から罪悪感を取り去った。
エマってやつも大概、ポーラのことが好きなんだな。
「そっかあ。エルドさん、カッコいいから。
良い人選ですね、兵長」
何も知らないポーラがふにゃりと笑う。
くしゃっとポーラの頭を乱暴に撫でてやった。
「あーあ、なんだかポーラもエマも色気付いちゃって」
「ホント!兵士ともあろうものが!」
ポーラの連れの女二人が不貞腐れていた。
けれども口調とは裏腹に、二人とも嬉しそうな顔をしている。
女の友情ってヤツか。
よく分からん。
ポーラもエマもエルドも俺も、その場にいる全員が笑っていた。