【R18】私の心は私のもの【リヴァイ/進撃の巨人】
第9章 4ヶ月後より前の話
その日の訓練は最悪だった。
最初の体力作りのためのランニングでは途中で派手に転び、対人格闘術の授業では格下と思っていた相手に負け、最後の立体機動装置での飛行テストでは堂々たるビリを記録した。
自分が兵士として出来損ないであるということは自覚はしていたが、ここまで無残な結果を突きつけられると気が滅入ってしまう。
とどめには訓練の終わりに上官から発せられた一言があった。
「ポーラ・アンダーソン、今日の飛行テストで最下位だったな!
罰としてお前にはちょっとした雑務をこなしてもらう!あとで私の元に来い!」
周りの新兵のざわめき、そしてクスクスとした笑い声。
恥ずかしくて死にそうだった。
訓練中のテストはほぼ毎日あるが、最下位で罰を取らされることなんて初めてだ。
それほどまでに酷い成績だっただろうか。
それを考えるのも億劫なほど気が沈んでいた。
兵舎に戻る仲間たちとは逆流し、よろよろとした足取りで上官の元へ向かう。
「ポーラ・アンダーソンです」
今までで一番やる気のない敬礼をする。
スラッと背の高い男性上官は、そんな私を見て意地悪そうな表情でニヤリとした。