【R18】私の心は私のもの【リヴァイ/進撃の巨人】
第7章 遠征の次の日、そしてまた次の日
ポーラが、殺すほど俺に溺れていたとしたら。
そのときはいっそポーラに殺されてしまおうか。
俺のクソみたいな人生も、あいつに引導を渡されて終わるのであれば悪くないように思える。
そんなことを言えば、目の前の友は驚くだろうか。
「やっぱり腑抜けている」と罵るかもしれない。
どうしちまったんだ俺は。
戦い以外で死ぬことを望む?
あり得ない。
ああ、そうか。
溺れ始めているのは、俺の方か。
「だがリヴァイが誰かと一緒になる覚悟を決めたなら、そのときは友として心から祝福するよ」
エルヴィンがソファから立ち上がり、頭上から言葉を降らせた。
うまい返事も見つからず、座った姿勢のまま黙って部屋を去るエルヴィンを見送った。
パタンと扉が閉まってからようやく、こんな深夜にエルヴィンが訪ねて来た意味がわかった。
俺は、確実に変わって来ている。
ポーラと出会ったことによって。
それはエルヴィンの目から見ても明らかだったのだろう。
「強さとは何か」と抽象的な質問で、俺がまだ兵士長として相応しいかどうか推し量るほどに。
「情けねえな」
自身への罵倒の言葉は、しかし意外にも心地よく殺風景な部屋に馴染んで消えていった。