第1章 チタンパート 完
嫉妬。
こんなにも似たもの同士なのに、どうしてこんなにも違うんだろう。
音楽で食べていきたかったのに
家族と仲良く暮らしたかったのに
年相応に遊びたかったのに
あのままバンドでいたかったのに
君よりもずっと素晴らしい音楽を作ることも奏でることもできるのに!
それなのにどうしてーーーこんなに妬んでいるのに君は私に好意を向けてくるんだろう。
ピアニストとわかっていて、私は彼にシンバルのカットやポップを切らせたりしてた。手を切ればいいと思って。
私の本性を知ったら、チタンくんだって離れていくに決まってるのに。
「ねえ、チタンくんが思ってる程私は出来たミューモンじゃないよ」
人が離れていくのが恐ろしい。
失望されるのが恐ろしい。
裏切られるのが恐ろしい。
失敗するのが恐ろしい。
恋をするのが恐ろしい。
「もう傷つきたくないよ」
ーーーー擦れた声 半分もらうよ