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とっておきのおはなし

第3章 ジャンのおはなし


マルコ・・。
誰にも看取られぬままに死んで逝った親友。
何度もジャンの眠りを妨げる。

冷や汗で体がびっしょりになっている。

「ジャン!どうしたんだよ?」

コニーが心配そうにみつめていた。

「何でもねぇよ」

少し外の空気にでも触れてこようか。

今何をすべきか・・何の為に死ぬのか。

何度も巨人にくわれそうになった。

夜の星空が綺麗だった・・。

もう、このままあの時に戻れたらいいのに。

自分だけじゃないはずだ、皆がそう願っている。

ただ1つだけ命が果てるまでに知りたい事がある。

「ガラでもねぇかもしれないけどな・ ・」

リウ・・同じ訓練生の一人。

クリスタと同じ位小柄な女。

少し鈍くてほっとけないんだよな・・でも何事も真剣で・・。

俺、何考えてんだよ。

我に返るジャン。

「他にするべき事があるだろ?」

自分に言い聞かせた。

明日も訓練だ、早く寝るか。

目覚めは最悪だった。

冷えた体が長い間外にいたからかもしれない。

装置の調子を確認して訓練に取り掛かった。

目の前にリウの姿があった。

小柄な体を武器にして順調に飛んでいるように見えた。

ふいにリウの様子がおかしくなった。

具合が悪いのか?それともガス切れか?

高く飛んでいたリウが落ちそうになった。

「リウっ!」

咄嗟に体が動いた。


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