第37章 花①遥かなる旅路
花「」
「??」
承「行ってこい、俺たちは先に行ってる」
は花京院の元へ戻った。
「なに?花京院みんなと一緒に…!!」
ズッキューーーン!
花京院はにキスをした。少し長めのキスを。
2人は少し体を離し、顔を見合わせた。
「どうしたの?花京院」
花京院はを抱き締めて言った。
花「、君がいなかったら、僕は死んでいた。ありがとう。だが本当に僕を選んでいいのか?僕は死んでも君を守る覚悟はある。しかし承太郎なら君を守りながら、共に生きていってくれるだろう。今ならまだ、間に合う。選択し直せる。本当に僕でいいのか?」
「花京院がいいんだよ。確かに承太郎なら死ぬ心配はないかもしれないね。だけど、実際に今回の旅で、私の心も命も、何度も救ってくれたのは、花京院だよ。」
は花京院の背中に手を回して言った。
花「…」
「私は守ってくれる"かも"じゃあなくて、守ってくれた"から"花京院に惹かれたし、花京院を選んだんだよ。それに、花京院が死にそうになったなら、私が助ければいい。何の問題もないよ。2人で助け合って、補って、支え合えば、それでいいの。」
花「はっ…」
「この旅は失ったものも、そしてその悲しみも本当に大きかった。何度ももうダメだと思った。だけど、その度に私が立ち上がれたのは花京院がそばにいてくれたからだよ。私は花京院がいたから強くなれた。ありがとう、花京院」
花京院は強く抱きしめた。
花京院の中でずっとあった不安がスッと溶けていくのが分かった。
花「僕はずっと承太郎の方がに相応しいんじゃあないかと思っていた。しかし、どうしてもを自分から手放すことはできなかった。だが、の言葉で気付かされた。助け合えば、支え合えばすぐに解決できることだったんだな」
「花京院…」
花「典明」