第27章 承①遥かなる旅路
ディオが動き出そうとすると動かないことに気がついた。
デ「うっ…う…うっ!な…なんだ?体の動きがに…鈍いぞ!ち…違う!動きが鈍いのではない!う…動けん…ば…ばかな…ま…全く…か…体が動かん…」
承「ディオ、11秒経過だぜ、動ける時間はそこまでのようだな」
先ほど潰されたと思った承太郎が生きていたのだ。
デ(な…なにぃ!)
承「俺が時を止めた。9秒の時点でな。そして脱出できた。やれやれだぜ」
デ「うっ…」
承「これから!てめえをやるのに1秒もかからねぇぜ!」
デ「承…承太郎…!!ば…ばかな…時を止めただと!?俺が9秒動いた限界直後の時点で…」
承「どんな気分だ?ディオ」
デ「くっ…」
承「動けねぇのに背後から近づかれる気分ってのは、例えると、水の中に1分しか潜っていられない男が、限界1分前にやっと水面で呼吸しようとした瞬間、グイッとさらに水中にに引きずり込まれる気分に似てるってのは…どうかな?しかしてめえの場合、全然かわいそうとは思わん。オラァ!」
思い切りディオの足を蹴り上げた。
デ「うぐっ…」
承「時は動き始めた」
ディオはロードローラーの上から道路に投げ出された。
ディオの脚は両方折れ、血が噴き出していた。
デ「はぁ…はぁ…」
承「お前に対する慈悲の気持ちは全くねぇ。てめえをかわいそうとは全く思わねぇ。しかし、このままおめぇをなぶって始末するってぇやり方は、俺自身の心に後味の良くねぇものを残すぜ。その足が治癒するのに何秒かかる?3秒か?4秒か?治ったと同時にスタープラチナをてめえに叩き込む!かかってきな!」
デ「ぐっ…」
承「西部劇のガンマン風に言うと、"抜きな、どっちが素早いか試してみようぜ"と言うやつだぜ」
デ「ぐっ…うっ…」
デ(コ…コケにしやがってぇ!しかし…しかし承太郎!この土壇場にきて、やはりお前は人間だ!ごく短い時の流れでしか生きない人間の考え方をする!"後味の良くないものを残す"とか"人生に悔いを残さない"だとか、便所のネズミの糞にも匹敵するそのくだらないものの考え方が命取りよ!このディオにはそれがない。あるのはシンプルのたった1つの思想だけだ!たった1つ。"勝利して支配する"、それだけよ、それだけが満足感よ)