君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第62章 62※
深夜。
皆が寝静まったであろう小鳥遊寮の一室。
「龍くん…だからお酒飲んじゃダメって…んぁ。も、そこ…んぅ…」
下腹部からぴちゃりと水音を立たせながら人差し指を噛み、声を押し殺す。
音源は龍之介だ。
結局大和に押し切られる形、そして念のためと連絡を取った姉鷺と万理から許可が出たために、龍之介はそのまま小鳥遊寮に泊まることになった。
泊まるなら良いじゃん、と勧められるままに一杯飲み、それが二杯三杯と増え、最後には成人組がすっかり出来上がってしまった。
夕飯が終わり、片づけが終わったころには龍之介はソファで酒瓶を抱えて寝こけており、仕方なしとは龍之介を起こして部屋へと共に戻った。
ふにゃふにゃと酔いながらも自らの足で部屋に戻ったはいいものの、部屋へ入った瞬間ベッドへ押し倒され、今は丹念な愛撫を受けている最中である。
「…大好き。可愛い、もっと声聞かせて?」
「龍くんのお部屋じゃ、な…から無理、だよぉ…」
龍之介のマンションはさすが高級なだけあり、左右のみならず上下すら音が気にならない。
だが、ここは違う。上下も左右も部屋に人はいないが、響く上に高い声はよく通る。
の嬌声は気を付けなければ確実に漏れ出てしまう。
「っん…龍く…みあ…」
「子猫みたい…可愛い…愛してる」
「んっ…愛してる…龍くん、キスして?」
念入りな愛撫のせいで力が入らない。
龍之介の頭を軽く撫で、はキスを強請る。
「大好き。、愛してる。全部俺に見せて?」
「ん、龍くん愛してる。大好きだよ。全部、全部あげる。私、龍くんのだもん」
「うん…は俺の。俺だけの」
触れるだけだった口付けは徐々に深くなっていき、は龍之介の首に腕を回し、密着しながら口付けに応える。
ほんのりお酒の香りが鼻腔をかすめるキス。
龍之介に酔っているのか、この香りに酔っているのか、ふわふわとする。
「…もっと食べたい」
「ん、良いよ…?っぁ…」
唇が離れれば耳朶をやんわりと食まれる。
耳の中へと入りこむ舌から届く音に、は腰が震える。
そのまま首筋、鎖骨、胸に唇が移動する。
食べたいと言ったときの龍之介は、ただ唇や舌で触れるだけでなく、軽く歯を立てることもある。