君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第23章 23※
「美味しくないよ、そんなの。ほら、拭いてあげるから」
「ん…美味しい、かも…龍之介さんのだからかな…」
「…そういう事言うとまた襲っちゃうから…」
真っ赤になりながら、の腹を拭く龍之介。
「ん…」
「ちょっと乾いちゃってるよぉ…お風呂、入ろっか」
「うん…」
「お湯沸かしてくるから待ってて?」
「沖縄の人はシャワーが多いって聞いたよ」
「東京来てからは湯舟浸かるようになったよ。特に冬」
寒いんだよね、東京。
とくすくす笑いながら龍之介は、少し休んでいて、との頭を撫でてシーツをにそっとかけてから浴室へと向かった。
「…龍之介さん…好き…大好き」
シーツに包まり、枕を抱き寄せて香りを嗅げば、さっきまでずっとそばにあった龍之介の香りがした。
「龍之介さん…」
「ん?」
「…ふふ、本物」
「どういうこと?」
「枕。龍之介さんの匂いがした」
「え?!臭かった?!」
「あははは!いいえ、全然。お腹がキュンとする匂い」
「…、それは…言っちゃダメ…」
「なんで?ん…」
首を傾げながら問いかければ、龍之介が隣に横になり口付けられる。
「こうして、また捕まえて、全部食べたくなるから」
「…もう食べてくれないの?」
「お風呂入って、水分補給して、軽く食べて。あ、ご飯をね?その後にがまだ起きてられたら、かな」
突然のお母さん発言に、は小さく微笑み、そして頷く。
「起きてる」
「ほんとに?」
「ん、食べられたい」
「……じゃ、まずお風呂入ろうか」
口付けられ、は嬉しそうに微笑む。
「はぁい」
「立てる?」
「うーん…腰から下が…ちょっと弱弱しい」
の表現にくすくす笑い、龍之介はこくりと頷く。
そのままを抱きしめてから抱き上げた。
「よし、お風呂お風呂」
「洗ってくれる?」
「お姫様の望むとおりに」
を見て口付け、抱き上げたまま二人で浴室へと向かう龍之介であった。