第7章 足枷
怪我を負ってから1週間が経った…
多少は良くなったものの傷口が開くといけない為
騎士には戻れず執務を手伝う事になった
こっちの方が向いてるかも……
私は毎日ジル様の執務室を訪ね山のような書類をこなしていった
プリンセスとゼノ様の婚姻が決まってからジル様は忙しくなり書類は増え続けた
「今日もご苦労様でした、あなたは本当に仕事が速く助かります」
ジル様は笑顔で書類を受け取った
「…今の私にはこれくらいしか出来る事が無いので、なんなりとお申し付け下さい」
私は頭を下げ次の書類を受け取ると執務室を出た
プリンセスとゼノ様の宣言式まであと一週間…
宣言式を終えたらその日からプリンセスとユーリはシュタインへ行くんだよね……
早いな…
「クロエ」
ふと名前を呼ばれ振り返った
「ルイ様…」
相変わらず美しく、憂いを帯びた瞳に上品な物腰…
本当に綺麗な人……
「傷の具合はどう?俺のせいで、ごめん…」
「ルイ様が謝る事じゃないです…私こそ、すみませんでした…プリンセスに誤解を…」
「いいんだ……あれで、彼女はシュタインへ行く決心がついたし…」
言葉を遮るように告げられた…
本当の事を話したい…
でも……
今更話した所でなんとかなる訳ない……
「ごめんなさい…」
「俺も……王になる自信なんて無かったから…」
「ルイ様…」
ルイ様の瞳が思案するように揺れてる…
「あの日から…俺は君の事を……考えるようになった」
嘘……
ルイ様が…
私は目を見開いた
「危険から護ってくれて……痛い思いをしたのは君なのに……俺の事ばかり心配して….」
ルイ様の手が私の頬に添えられた
こんな綺麗な人に………
ドキドキする……
私はルイ様の瞳から目を反らせずにいた