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イケメン王宮真夜中のSPY

第7章 足枷





ヒュンっ


!!


風を裂く音が聞える


キラりと光るものが飛んできた


短剣!?


「危ない!!」

私は咄嗟にルイ様の頭を抱き押し倒した


瞬間、肩に鈍い痛みが走る



「いっ…た」

私は肘を付き起き上がり、ルイ様の上から退こうとした

「クロエ…血が…」




ルイ様は目を見開いて青褪めた顔をしていた

私はゆっくりと起き上がると刺さった短剣が抜け落ちた





ルイ様は首のスカーフを外し私の傷口を止血した

「ぁっ…ルイ様、大丈夫っ…ですから…」

痛みに眉を顰めた

呼吸が上がり嫌な汗が出る

ルイ様のスカーフが真っ赤に染まっていく


「大丈夫なわけないよ…俺を庇ったせいで…こんなっ…」

ルイ様は悲痛な表情を浮かべた

「ルイ様が…無事で、良かった…」


そう

これはルイ様のせいなんかじゃない

違う…


「城に戻って手当てを受け無いと…クロエ、立てる?」

「はい…」

ルイ様は傷口を止血する手をそのままに
抱き寄せるように私の背に手を添えて立ち上がらせた


「ルイ様……手を離して下さい…血で汚れてしまいます…」


止血していても溢れる血が止まらずルイ様の手を赤く濡らした


「嫌…付き添うから…」


クラリと視界が歪んだ

コルセットの苦しさと血が抜けてゆく感覚で
気持ち悪い……


私はルイの腕から崩れ落ちた


「クロエ!?」

「お願いが…あります…」


「何?…何でも言って…」

ルイ様は私の頬に手を添えた



「コルセットのリボンを……解いて下さい…」

「…ぇ」

ルイ様は困惑の表情を浮かべていた






「苦しっ…くて…」




「わかった」


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