第4章 思惑
翌日
ウィスタリアに帰る日が来た
馬を走らせる私は考えていた
ゼノ様はプリンセスに婚姻を申し込むと言っていたが……
私はこれから何を協力したら良いのだろう?
わからない
美しく気高いゼノ様相手に婚姻を断る訳がないだろう…
深夜に城へ到着し
プリンセスを部屋まで送り届けることにした
暗い廊下をプリンセスと共に歩いていた…
「クロエ、ありがとう」
「いえ…私は私の役目を果たしただけですので」
目も合わさず事務的に告げた
「あのね……クロエ…私、ゼノ様に婚姻を申し込まれたの」
やっぱり…
私は胸を痛めた
「それで……ゼノ様は素敵な方だと思うけど、私には心を決めた方がいて……」
自分の好きにしたら良い。
他国のプリンセスが誰とどうなろうが私にはどーでも良い
だけど…これが新たな任務か……
「国の為にも…良く考えてお相手選びをして下さい」
「そうよね…」
「プリンセスの心を決めた方とは…とても素敵な方だと思いますが、城の人間ですか?」
相手さえ分かれば…
「いいえ……ジルが見立てた国王候補の方です」
ルイ=ハワードだ…
間違え無い
「お見かけしたことはございませんがジル様が見立てた方ならとても素敵な方なんでしょうね」
「そうなの!初めは冷たかったけど……やっと最近恋仲になれて…それで…」
プリンセスは顔を赤くし惚気出した
もう、いい次のターゲットは決まった。
「もう夜も遅いです、ゆっくり身体を休めて下さいませ…私はこれで失礼させて頂きます…」
「あっ!ごめんなさい!私ったらつい……
クロエもゆっくり休んでね、おやすみなさい!」
私は一礼すると
夜の暗い廊下を歩き出した。
ルイ=ハワード…
新たな任務を遂行させる為に私は次なる行動を考えた