第60章 初めての宴
当然二人は断ったが、天元はとんでもなく高級な酒を手に、『薄く水で割れば明日には抜ける、ほろ酔いでも見張りくらい出来るだろ。』と説得した。
普段の二人ならそれにもノーと言う。
しかし、二人は水を飲んだ際に既に判断能力が鈍る薬を盛られていた。
そして結局『それなら…、』と頷き、水で割りもせずにたらふく度数の高い酒を飲んでしまったのだった。
―――ドダンッ
杏寿郎と菫は音がした方に視線を遣ると目を見開いた。
「角田さん!権田さん!」
杏「どうした!宇髄、何があった!!」
杏寿郎達は慌てて倒れた二人の元に駆け付けて顔色を確認すると、近くにいた天元を見上げた。
皆も何事かと話を止めて伸び上がる。
天「一気に飲み過ぎたんだろ。高い酒だって言ったらぐいぐいいっちまってよ。」