第60章 初めての宴
杏「どうしても体が動いてしまうと言うのならその分俺も手伝おう。」
その気持ちは有難かったが、菫は困った様に微笑んだ。
「ありがとうございます。ですが…あとは火を使う作業だけなんです。」
そう言われてしまえばボヤを出した事のある杏寿郎は為す術がない。
そんな様子を見ていたしのぶが歩み寄って来る。
し「では私が手伝いましょう。」
「しのぶさん…。」
杏「胡蝶!助かる!ついでにもう出迎えに行かないよう注意してやってくれ!」
その言葉にしのぶは『はい。』と微笑んだ。
「あとは蜜璃さんと伊黒さんですね。」
し「はい。煉獄さん達の退院の際にもいらっしゃらなかったですし、何やら忙しそうな様子ですね。」
菫も蜜璃が杏寿郎の退院の際に顔を出さなかった事に違和感を覚えていた。
(伊黒さんだけならまだしも…。)
そう思いながら二人で炊事場へ向かおうとした時、噂の蜜璃が玄関から『ごめんくださーい!!』と声を掛けた。