第58章 休養―其の弐
善「しのぶさんと言えばさ…、ずっと働いてるよな…。自分だって疲れてるはずなのに…。」
それを聞いた杏寿郎と菫は目を見開いた。
杏「今もか!!」
「ずっとって…じゃあ、」
二人は目を合わせると頷き合う。
「失礼致します。蟲柱様にお話をしてきます。親分、何をお食べになりたいか考えておいて下さい。すべてお作り致します。」
菫はそう言うと部屋を出てパタパタと駆けて行った。
それを見届けると杏寿郎は善逸を見た。
杏「教えてくれてありがとう。胡蝶も家族を鬼に殺されている。本音を言えば早く報告へ行きたいのだろう。だが彼女は責任感が強いからな。」
それを聞いた炭治郎は眉尻をしゅんと下げてしまった。
炭「菫さんの話を聞いてくれるでしょうか。」
その問いに杏寿郎はパッと顔色を明るくさせる。
杏「ああ!菫は粘り強いからな!以前にも無理な話を押し通した事がある!!」
それを聞いた善逸は大体の事を察した。
善(しつこいって事なんだろうけど…今回はそれが良い方に役立つなら…。)