第58章 休養―其の弐
そう思って眉尻を下げながらも口を開いた時、
―――コンコンッ
ノックの音が響いて菫は慌てて立ち上がった。
善『バカ!今はだめだって言っただろ!!』
炭『でも助けを求めているような匂いがしたから…、』
伊『じゃあすぐ開けりゃいいだろーが!』
二人は継子達が見舞いに来てくれたのだと悟ると、三人に感謝しながら安堵の息を吐いた。
杏「君達か!入って来てくれ!!」
杏寿郎は明るい声を取り戻して三人を部屋に招いた。
炭「失礼します。」
丁寧に頭を下げながら入って来た炭治郎は、杏寿郎の顔色が良い事にほっとした表情を浮かべた。
続いて入って来た善逸もそうだ。
伊之助は猪の被り物を取っていて表情が顕になっていたが、特に心配してはいないようだった。
菫は馴染みの面子になると屋敷に帰ってきたような気持ちになった。