第56章 最終決戦
惨「…ア゙、ア゙、ア゙、」
そして顔を上げると聞くに耐えない悲鳴を上げる。
蜜「……とまった…?」
皆が目を見張る前で無惨は陽の光を一身に浴び、バラッと体を崩れさせた。
頭が崩れ、上半身が崩れ、どんどん塵になっていく。
無惨が追い込まれて赤ん坊の姿になってからは他の隊士達も周りに集まって来ていた。
そんな集まった隊士含め、その場の皆が言葉を失くして無惨の消えゆく様を見ていた。
そして間もなく、無惨の体は完全に消え去った。
一瞬の静寂のあと、響いたのは大歓声だった。
皆近くの者と抱き合い、泣き、歓喜の声を上げた。
「きょ、うじゅろうさん…、杏寿郎さん…ッ」
菫も我に返ると杏寿郎に向かって躓きながら走った。
杏寿郎は菫に気が付くと眉尻下げて笑う。
杏「菫!!」
菫は杏寿郎の満身創痍な体を見ると、抱き着きたくなる気持ちを押さえ、左手で杏寿郎の頬を撫でた。