第56章 最終決戦
天「そうはさせねーよ。」
鬼殺隊一の俊足の持ち主である天元は容易に追いつき、刀で無惨を地に叩き付けた。
惨(陽が…太陽が…、)
東の空はどんどん明るくなっていく。
分裂も出来ない、逃してもくれない。
そして、ついに太陽が顔を出した。
再び逃げようとした無惨を炭治郎が串刺しにして家屋の外壁に縫い付ける。
その刀が赫くなると無惨は吐血した。
炭(あと少し…!!)
行「このまま焼くぞ!!」
その言葉に返事をして皆が無惨を留める為に駆け寄ろうとした時、少しでも焼けるまでの時間を稼ごうとした無惨が肥大化し炭治郎を取り込んだ。
(なんて…醜いの……。)
菫は目を見開きながら、往生際悪く足掻いて抵抗する巨大な赤ん坊を遠くから見つめた。
し(今なら多少ふらついても皆に迷惑は掛からない。)
し「菫さん、私も加勢しに行きます。どれだけ毒が効くかは分かりませんが、奴は弱っている…可能性はあるでしょう。」
「分かりました。お気を付けて下さいませ。」
菫はそう言うと頭を下げてしのぶを見送った。