第56章 最終決戦
し「…ええ、こちらも出来る事はやりました。」
蜜「ありがとう!じゃあ頑張ってくるね!!」
「ご武運を!!」
その言葉に蜜璃はにこっと笑ってガッツポーズを作った。
(本当に太陽のような、花のようなお方だわ…。)
そう思ってしのぶを見ると、戦いに行けない自身を責めているような顔をしていた。
「……蟲柱様、あと少しです。」
その言葉にしのぶはハッとして菫を見た。
し「…ええ。あと…、」
そう言いながら明るんできた東の空を見る。
鴉「夜明ケマデ、アト十五分!!!」
その言葉に目を見開いた無惨は、最強の剣士、縁壱に追い詰められた時と同様に体をバラバラに散らせて逃げようとした。
しかし――、
惨(…分裂出来ない!!)
惨「そうか、薬は三つだったのか!人間返り、老化、分裂阻害…女狐が…!!」
珠「残念、はずれです。」
珠代が不穏な笑みを浮かべながらそう言うと無惨が吐血した。
珠「薬は四つ。三つの薬で弱った所に細胞破壊の薬が効き始める。」
無惨は目を見開いた。
珠「さぁ、お前の大嫌いな死がすぐ其処まで来たぞ。」
それを聞いた無惨はダンッと地を蹴って逃げようとした。