第56章 最終決戦
(早く…速く……、)
段々と長い管のような物を背から八本も生やした無惨の姿が大きくなり、それにつれて周りを駆け回る隊士達の姿も見えてくる。
(まだ…ご無事だわ…!怪我は酷いけれど…まだ……、)
菫は杏寿郎の他にも顔見知りの天元や実弥、カナヲ、そして親しくなった蜜璃、継子である炭治郎、伊之助、善逸の姿が見えるとほっと息を吐きそうになった。
(いけない。気を抜いてはだめだわ…。)
菫は頭を振ると、無惨に押されてザザーッと滑ってきた炭治郎に走り寄った。
「竈門様!」
炭「菫さん!俺はだいじょう、」
―――ドタンッ
(大変…!)
菫は倒れ込んで吐血した炭治郎を仰向けにすると言葉を失った。
(これは…一体…?)
傷付けられた目元の肉がぶよぶよに膨れ上がっていたのだ。
(どうしたら…、)
惨「私は攻撃に私自身の血を混ぜる!」
空腹状態で追い込まれていた無惨はしたり顔でそう言った。