第56章 最終決戦
惨(何だ、今の衝撃は…この悪寒は…、柱は死んだのではないのか…鳴女!!)
鳴女の視界を覗き見ると確かに死んだ柱が倒れている。
惨(何をしている!!!)
そうして動揺していると繭を突き破って鉄球が落ちて来る。
行「今宵、お前の命は潰える。」
行冥の言葉を皮切りに本当の最終決戦が始まった。
―――
「………地上だわ…。」
し「何が起こって…。」
一方、他の鬼と戦い一般隊士を助けながら駆け回っていたしのぶと、逃げ回っていた菫は地べたに座り込みながら目を丸くしていた。
―――ガキンッ
(戦闘音…っ)
菫がハッとして音のする方へ視線を遣ると、無惨と思しき男と杏寿郎達の姿が見えた。
「ご無事で……!」
掠れた声でそう言うと今度は月を見る。
し「あと二時間、といったところでしょうか。」
同じく月の傾き具合いを見ていたしのぶがそう言うと菫も頷いた。
「私達は怪我人の手当てをして回りましょう。」
し「ええ。」
そうして菫は杏寿郎を信じて立ち上がると、自身にできる事を懸命にこなしていった。