第54章 嫉妬
蜜「はっ!突然ごめんなさい!びっくりしたわよね!でも女の子とこういうお話する機会ってほとんどないからどうしても我慢できなくって…!」
蜜璃がそう言いながら赤い頬を両手で包んで俯くと、菫の姉心が擽られる。
すぐにふわりと微笑んだ。
「私は女の子と言える年齢では御座いませんが、それでも宜しければ是非。」
それを聞いた蜜璃はぱああっと顔を輝かせて菫に抱き着き、『いくつになっても恋をしていれば女の子よ!』と言った。
―――
蜜「え!え!二回目も断っちゃったんですか!?」
根掘り葉掘り訊かれた菫は少し頬を染めながら困った様に微笑んだ。
「実はこれにはある鬼が関わっていまして…。」
蜜「鬼が!」
「元々は六年前…初めて杏寿郎さんに出会った時、」
蜜「六年前!!」
菫は食い付きの良さに思わず笑ってしまった。
「…はい。元々はその時、私が恋に落ちたせいで拗れてしまったのです。」
それを聞くと蜜璃はきょとんとする。
蜜「じゃあ二人はずっと両想いだったんじゃ…?」
菫は『今晩は寝れるだろうか。』と思いながらも、自身に固執していた鬼についても丁寧に話し始めたのだった。