第30章 三人の新人
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杏寿郎が宣言通り菫の御守りを肌見離さず持ち歩くようになってから二ヶ月が経った。
そして、二度目の柱合会議の日がやって来た。
杏「うむ、相変わらず美味かった!」
杏寿郎はそう満足そうに言って箸を置き、菫に手招きすると寄って来た菫の頭を撫でた。
菫は『ありがとう御座います。』と言うと、嬉しそうに微笑みながら杏寿郎の手を受け入れた。
頭を撫でるという習慣は少しレベルアップしていたのだ。
杏「今日は甘露寺の他にも新しい柱が加わるとの事だ!先輩として役に立てるよう頑張らねばな!!」
「甘露寺様の他にも…。煉獄様は有言実行のお方ですので、必ず素晴らしい先輩になられるのでしょう。」
杏寿郎はそれに笑い声を返した後、急にしんと黙った。
「………?」
首を傾げる菫を見つめながら腕を組む。