第22章 認めた感情
圭太同様走り寄ってきた菫は、圭太を一瞥して眉を寄せてから杏寿郎に頭を下げた。
「煉獄様、お早うございます。此方の者は元同僚の佐藤圭太です。…先に言われてしまいましたが。」
杏寿郎はその不服そうな声色から菫が先に答えたかったのだと分かり、眉尻を下げて嬉しそうに笑った。
杏「佐藤、教えてくれてありがとう!そして確かに会った事があるな!気が付けなくてすまなかった!清水もありがとう!!」
そう気持ち良く礼を言うと圭太の目を見つめる。
杏(…この目は俺の気持ちに気が付いているな。頼って良いのだろうか。)
圭太はそれを見つめ返して頷いた。
圭(炎柱様は確実に菫に想いを寄せている…!協力はお任せ下さい!)
こうして二人が密かに結託する中、菫だけが不可解そうな顔をしながら首を傾げたのだった。