第2章 狗巻棘くんに愛されたい
「棘くん。どうしたの?何か変だよ?」
「………」
どこかおかしい棘くん。
今日、二人で任務に行ってから、棘くんは私の手を掴んで離さない。
無言で手を引かれて、棘くんの部屋に連れてこられた。
聞いてみても、一向に口を開かない棘くん。
どうしたんだろう?
私、何かした?
今日の任務は比較的重めだった。
擦り傷たくさんでちょっと痛い。
早く翔子さんのところに行きたいんだけど、棘くんこんなんだし。
どうしよう。
真希たち呼んでこようかな?
「棘くん。私___」
『脱げ』
「へっ?」
いつの間にか覆い隠している口元が見えて、棘くんの呪いにかかっていた。
意に反して、身体が衣服を脱ぎだす。
元々、今日の私の服はボロボロで、色んなところが見えちゃってるけど、恥ずかしい部分はちゃんと隠れてる。
でも彼の呪言は強烈で、私は一糸纏わぬ姿となってしまった。
そんな私を棘くんは抱きしめる。
「棘くん?どうしたの?」
「おかか!」
「痛っ!」
傷をグッと押されて、顔が歪む。
そっか。
無茶したの怒ってるんだ。