万華鏡の姫君1章 〜特級呪術師&最強柱〜【鬼滅】【呪術】
第6章 6章 砕けた硝子の意味
しばらく絢蘭には話しかけず、少しでも落ち着くのを待った。
いくら時間が経ってもいいんだ、
僕の話が聞ける状態まで待った。
無「少し落ち着いたかな?何言ってもいいよ。ここには、僕と絢蘭しかいないから。」
『…。』
無「でもこれだけは信じてあげて欲しい。兄さんは決して本心であんなことを言ったわけじゃないし、きっと絢蘭を傷付けてしまったことを後悔してる。」
『…でも…ゆうの言ったことは事実だし、ゆうを思った以上に傷付けちゃって…ゆうに今さらどうあったらいいか…。』
やっぱり悪い方へと考えてしまっている。
たしかに、父さん達の事後悔して兄さんも傷付いている。
決して絢蘭を責めているわけじゃない。
絢蘭と同じ様に兄さんも兄さん自身を責めている。
僕には分かるんだ。
だって双子だから。
それをうまく支えられなかった僕が悪いんだ。
無「兄さんはそんなこと一切思ってないよ。だから自分を責めないで。」
『嘘…私のせいでゆうを苦しませてる。』
無「そんなことは絶対ない。前にも言っただろ?絢蘭に僕達は救われてるって。」
『でも…。』
無「それに今回は僕が悪いんだ。父さん達が死んでから兄さんが必死にがんばってくれてるのに、僕がいつも余計なことを言って怒らせてしまう。今日だって、兄さん気持ちを考えずにはしゃいで話した僕に苛立ったんだよ。」
『むいが悪いわけじゃない!』
双子なのに感じ事は分からない僕がいけない。
そう自己嫌悪に陥りそうになったら、絢蘭顔をあげて否定してくれた。
『むいがいつもゆうのこと心配していたの私はちゃんと見てたよ。むいはゆうの気持ちに寄り添おうとしてたよ!』
そっか気づかれてないと思ってたけど、見ててくれたんだ。
それだけで心が軽くなる。
本当に絢蘭は凄いな。
僕の方が慰められちゃったよ。
無「ありがとう。兄さんも言い方はきつくても僕達の事を心配してああ言ってくれたと思うんだよね。兄さんも凄く優しい人だから。ただ何故か焦っている様に見えたから、剣士になって強くなれば兄さんをちゃんと支えられたらと思ったんだよね。言う機会間違えたけど。」
苦笑いをして向けると、少し表情が明るくなってきたみたい。