万華鏡の姫君1章 〜特級呪術師&最強柱〜【鬼滅】【呪術】
第18章 日輪刀と二人の力・・・そして初任務へ
技を見せると言った瞬間鬼から離れ、俺と鬼の丁度間に立っていた。
絢蘭が刀を抜いた瞬間空気が変わった。
さっきまでの鬼の威圧感が消えたように感じる。
『むい!私がこの邪魔な氷を全部何とかする。そして姉の方に仕掛けるから、気を取られている内に妹の方お願いね。』
絢蘭の頭の中には勝利の勝ち筋が出来ている様だ。
彼女の初めての呼吸を初めて見たいけど、今は戦いに集中しないと。
僕が足を引っ張らないように。
絢蘭は呼吸の姿勢に入った。
スーー。
無限の空間 参ノ空間 無量運河《むりょううんが》
技を出した瞬間、すごい勢いの風が上下左右に吹き荒れた。
恐らく絢蘭がもの凄い速さで刀を振りながら高速回転しているからだろう。
同時に空間が一瞬歪んだような気がした。
鬼共は何故か慌てふためき、僕らを探している様だった。
そうか。
恐らく僅かに呪力を流して、撹乱させたのか。
呪力に慣れている僕なら問題ないと思って流したのかな?
そんな事を考えているうちにいつの間にか絢蘭は姉鬼の目の前にいた。
僕も負けてられない。
鬼が混乱している隙を狙い、妹鬼の前で足を止めた。
フウウウウ。
霞の呼吸 弐の型 八重霞《やえがすみ》
妹鬼に向けて上中下段に、5回の横切りを繰り出した。
素早く5回刀を振るう様子は、上下関係なく霞が横雛くように感じるらしい。
鬼の両手を落とすことに成功した。
ここで引かず続けて
霞の呼吸 肆の型 移流斬り《 いりゅうぎり》
一気に相手の間合いに入り、そのまま僕より長身の鬼の頸を下から斬り上げた。
ポト。
無事に頸を落とせた様だ。
少し鬼から離れると、絢蘭も決着つける所の様だ。
『さてこっちも終わらせようか。』
無限の空間 壱ノ空間 無光裂傷《むこうれっしょう》
一瞬透明で煌く星が流れたような気がした。
気づけば鬼の頸を落としていた。
刀を振るのが速すぎて、僕の目には見えなかった。
鬼1【調子に乗る…なよ⁉いっ…いつの間…】
鬼もいつ頸を斬られたのか分からないという表情を最期に灰となり消えていった。
やっぱり絢蘭は凄い。
誰も知らない呼吸を1から作りあげて、ここまでの威力。
何よりも僕と違って、鬼に対して微塵も恐怖を感じていなかった。