万華鏡の姫君1章 〜特級呪術師&最強柱〜【鬼滅】【呪術】
第16章 8.守るために…
案の定説教をくらった。
ただいつもみたいに細かい事チマチマ言う説教じゃなかった。
素の表情で淡々と。
感情には出ていないが、怒りや不安を感じ取れた。
多分俺じゃなきゃ分かんねぇほど
だった。
それだけ本気で無一郎と絢蘭を心配したんだろう。
勿論俺も流石に反省している。
実「悪かった。俺もここまで無一郎が粘るから、つい調子着いちまった。絢蘭を狙ってる糞塵野郎を消し去るため、何よりあいつら自信を守るために鬼殺隊に入らせると決まった。なのに稽古でぶっ倒れちゃ本末転倒だわなァ。絢蘭がようやく俺達に笑ってくれるようになった。それに会ったら嬉しそうに走って来てくんだァ。俺にはあいつは妹みたいな存在だと思っている。可愛くてしょうがねぇ奴をまた泣かせるとこだった。本当に反省している。すまねェ。明日からはちゃんと合わせた稽古にする。」
し「あら⁉珍しい事もあるのですね。不死川さんが素直に謝るなんて。冗談はさて置き、次からは注意して下さい。特に無一郎君は記憶障害が重いため、自分自身の限界を知らない。本来は強くなりたいという感情が出る筈がないのです。でも彼には絢蘭ちゃんという何よりも大切な存在がいます。彼自身よりも。何故か彼女の記憶だけは残っている。彼女のためなら何だってするでしょう。まぁ鬼殺隊に入ったらその考えを改めないといけないのですが。それは追々と。とにかく今の彼の状態だと本当に強くなろうとして倒れるまで辞めないはずです。その様な事になっては絢蘭ちゃんが悲しみ、自分を責めるでしょう。ですから無一郎君の事お願いしますね。私も彼女達の心の治療に励みます。私は笑顔で私をねぇねと呼んでくれる姿が、微笑ましく可愛らしい大切な”妹”ですから。」
実「あぁ。二度とへまはしねぇと約束する。本来アイツらは俺達が守らなきゃいけねぇのに。絢蘭みたいに純粋で優しい奴ほど血生ぐせぇとこに行かず、今まで散々辛い思いをしたんだから幸せに暮せたっつうのにィ。色々言っても仕方ねェ。稽古しながら様子を見るしかねぇなァ。下弦の鬼を楽に斬れるほどには。まぁ塵糞野郎が絢蘭を狙ってきたら俺が塵屑にしてやるがな。」
実の所無一郎は剣の筋がいい。
この調子なら呼吸の型もすぐ者にするはずだ。
後は最終選別に向けてゆっくり時間をかければいいだろう。