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万華鏡の姫君1章 〜特級呪術師&最強柱〜【鬼滅】【呪術】

第13章 5.新しい家族と生活



お館様が戻っていらっしゃるまで、安心した表情で眠りに就く絢蘭ちゃんの痩せ細った手を握っていました。
その腕に残る細かい傷跡が多数。
それに比べ無一郎君は、極度の栄養失調と精神的疲労が凄かったのですが、傷は一つもありませんでした。
もちろん彼女にもその症状はありました。
2人を見ると心が痛くて…。
無一郎君は拘束されながらも、常に妹である絢蘭を守るために気を張り詰めて、1年以上ろくに眠ることが出来なかったのでしょう。
絢蘭ちゃんはそんな自分を必死に守ってくれる無一郎君を死なせないために自分にできる傷など気にせず、彼女の能力で守っていたのでしょう。
でもいくらそのような能力があっても、まだ子供で不衛生な環境に監禁され続けるのは限界だったはずです。
あと1週間遅かったら…。
大切な両親を失い、兄が目の前で鬼に襲われたこの子達のぐらいの年齢でしたら心が壊れてしまう。
なのに、村の人間が村を鬼の群れが襲ったのは、絢蘭ちゃんの髪色と瞳せいだと決めつけあんな洞窟に子供監禁したなんて許せません。
珍しく冨岡さんも起こってらっしゃったし。
そもそもあの地域は鬼が出没しやすいのに、今まで被害が一切なかったのは、彼女の能力のおかげだというのに。
全く!
まぁ、絢蘭ちゃん自身は無意識に結界を張っていたようですが。
鬼に襲われる前も理不尽な迫害を受けていたと聞いて、血管が切れそうになりましたよ!

ゴホン。
また話がずれてしまいました。
怒りを抑えられないなんて、私もまだまだ修行が足りませんね。
もうあんな思いはしなくていい。
私たちが貴方たちを守って見せるという気持ちを込めて、彼女の手を握り返したらどうやら目覚めちゃったようです。


し「あら、おはようございますけんらんちゃん。ゆっくり休めましたか?」

 『うん!ねぇねが手をにぎってくれてたから安心していっぱいねちゃった。ありがとうねぇ。』


まだぎこちないですが、可愛らしい笑顔を向けてくれました。
私に少しずつ心を許してくれてとても嬉しいですね。


し「ずっと傍にいるって約束しましたからね。私の手で安心してくれるなんて嬉しい事いってくれますね。寂しかったらいつでも言って下さいね。」


本当に可愛らしい。
まっすぐ見てくれる瞳は宝石の様に綺麗なのにどうしてあんな目に…。
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