万華鏡の姫君1章 〜特級呪術師&最強柱〜【鬼滅】【呪術】
第12章 4.交渉
悟も、自身と同じ術式を僅か歳で完璧使いこなす絢蘭。
そして自分より強くなると確信をしていたのだ。
実際に、洞窟内で悟は使えない反転術式で、無一郎を無意識に救っていた。
今後更に色んな術式を、身に付ける可能性があるのだ。
本来は、後天的術式を身に付けるのは不可能である。
しかし1つだけ過去に例外があり、状況が今回と酷似していたのだ。
1つはその人物、狗巻凛が最強の特級呪術師であり、鬼狩りであったこと。
もう1つは絢蘭の宝石のように輝き、光を反射する美しい瞳にあった。
そう狗巻凛も同じ瞳を持っていたとされている。
それは悟が持つ六眼を優位に越える十二眼(きんがん)の持ち主の可能性が非常に高いからである。
不明確のことが多いが、十二眼は六眼の能力に加え、未来・過去を敵味方関係なくみることが出来ると伝えられている。
また感覚・気配が鋭く敵や負傷者、戦闘中の者を半径6キロ以内ならすぐ関知できるという。
そして敵の等級、攻撃技、弱点を瞬時に見抜く。
これは呪霊に対してのみだが、絢蘭なら使いこなし応用してくれると悟は考えている。
無下限術式と六眼のセットでの誕生は、悟が四百年振りに授かった呪術師である。
それに比べ、完全なる十二眼と無下限の術式を持った人間の誕生は千年ぶりで、呪術協会としてもとても貴重な存在。
上の連中に利用される事だけは絶対避けたい。
そもそも絢蘭には、特級過呪怨霊化した兄だった有一郎もいる。
特急怨霊なのに人間の姿を保っているのも絢蘭の力だろう。
すなわち五条悟と、1番の教え子である乙骨憂太を合わせた実力を既に持っているのが、時透絢蘭という事だ。
上の連中レベルなら彼女の能力で隠してられるが、もし存在がバレたら世界のバランスが変わると大騒ぎになるのは目に見えている。
だから早い段階で保護、口を出されても五条家の力でもなんでも使い守れるようにし、高専にも通わせ教え子達の術式を覚えさせようと考えのようだ。
もちろん無一郎も引き取るつもりだ。
術式は持っていないが、彼はかなりの呪力を持っている。
教え子と比べても負けていないほど。
呪具を使えば立派な呪術師になると確信があった。
しかし本当の理由は絢蘭が可愛くて綺麗で、しかも懐いてくれた。
離れたくないというのが1番だったりする。