第11章 3.新しい居場所

あら？
強面のお兄さんの額に浮き出るほど青筋が…。
心なしか目も血走っちゃってるよお兄さん。


実「あ゛ァ？喧嘩売ってんのか冨岡ぁ。何が鬼舞辻だから仕方ないだとォ？おめェはあの塵屑野郎より俺が弱いっていいてェんか？」

義「違う。そう意味ではなく…。」

実「じゃあどういう意味だァ馬鹿野郎。ぐだぐだしてねェではっきり言ったらどうだァこの野郎。」


あーあー。
強面のお兄さんが物静かなお兄さんの胸ぐらつかんじゃったよ。
やっぱとめるべき？
でも僕こういうの苦手なんだよね。


し「まぁまぁ落ち着いて下さい不死川さん。あまり大きい声出すとこの子達が起きてしまいます。それに冨岡さんの言葉足らずはいつものことじゃないですか。さすがに言葉が足りなさすぎましたが。おそらく、既に下弦の鬼など限界体制の状態でさらに鬼舞辻の気配を感じ取ったんです。気配が濃い中で、冨岡さんや私なら他の鬼の僅かな気配を感じとる余裕すらなかったと思います。そんな状況で鬼の気配を感じ取っていただけで凄いことだと、冨岡さんは言いたかったと思いますよ。」


静かなお兄さんがお姉さんの後ろでこれでもかって言うくらい首を縦に降ってるよ
ウケる。


実「チッ…」


お姉さんは凄いね。
お兄さんの通訳までして喧嘩？を収めちゃうなんて。


し「フフ。有一郎君ごめんなさいね。どうぞ続けて下さい。
」

有「う…うん。俺が成仏しないで怨霊化して絢蘭に呪いをかけたのは、さっきも言ったけど今度こそ最期まで絢蘭を俺が守りきるため。あの日無一郎が鬼と出ていったあと俺はずっと後悔していた。絢蘭にひどいことを言ったまま死ぬことを。だから罰が当たったと思った。妹ではなく、１人の女の子として、愛している彼女に会えずに死ぬことを。だけど絢蘭はこんな俺を見捨てずに、帰ってきてくれた。もう手遅れだって分かってるはずなのに、力を使って懸命に延命をしてくれた。だけど最初に襲ってきた鬼とは違う下弦の参だったかなぁ。そいつが表れてが絢蘭が無一郎みたいに、怒りで我を失いながら戦ったんだ。何とかその時は落ち着いてくれたけどね。でもその後絢蘭が、当然震えだして、鬼舞辻無惨が現れたんだ。」