第51章 【番外編】そこにあるのは無限の愛※
「や、ぁっ!ああっ!は、ぁっん!やぁあっ!」
甘美な喘ぎは俺の欲を更に掻き立てる。ほの花の甘い声が風呂場の中で湯気と共に充満していく。
突き上げる度にぐちゅぐちゅと厭らしい音が聴こえて、結合部は密が糸を引いていることだろう。
上気した桃色の肌が煽情的で美しいが、不満なこともある。
「失敗、だった、な…?」
「え…?」
久しぶりの情交なのに俺は地味な過ちを犯した。
必死に縋り付いてくるほの花の顔を見ることが叶わないからだ。
風呂場に腰掛けたところでもう虫の息のほの花。俺の胸に力無く顔を埋めるのが関の山。
「…お前の、善がってる顔が見てェっつーのに…それじゃ見れねぇじゃん。」
「っ、は、恥ずかしい、から…!」
「布団の上で、組み敷いてもう一発ヤりてぇな…っ」
「な、…む、りぃ!ほんと、む、り…!」
全力で首を振るほの花を見れば彼女がどれほど限界なのかはすぐに分かるが、布団の上で喘ぎ悶える好きな女の姿を見たいと言うのは当然のことだ。
俺とてそれが難しいというのは分かっている。
だからせめて此処で見せてくれよ。
それくらいイイだろ?
俺はせっかく首に縋り付いているほの花の腕を外してやると、肩に移動させた。
「顔、…見せろよ。」
「な、っ、あ、んっ、は、ずかし、…!」
「布団では、諦める、っからよ…、お前の…感じてる顔、見せて…?」
俺の突き上げにどんな表情で善がっているのかなんて知っている。想像すれば簡単に思い浮かぶけど、お互い記憶を失っていた期間があるため直接見ることはできなかった。
やっと元鞘に戻ったんだ。
やっとこの手にほの花が戻ってきたのだ。
懇願するようにほの花と目線を合わせると顔を真っ赤にしながらもこちらを見つめてくれている。
息が荒いのは病的なものじゃない。
快楽に身を沈めているから。
白く滑らかな肢体。艶っぽい表情。陶磁器のような肌。大きな黒目がちの瞳。
そして短くなってしまった栗色の髪は肩口付近で律動と共に揺れ動く。
「ほの花、愛してる。」
機は熟した。
絶頂に向かうために俺はほの花の秘所内を無我夢中で突き上げた。