第43章 【番外編】ここに、いるよ。
「さ、天元!どうぞ!!」
「…は?どうぞって…何のこと?」
「だ、だから…!今日は起きてるから…!」
確かに眠いが、今日はお風呂で念入りに体を洗って夜に備えていた。
いつもはつけない香をつけて、きちんと髪をといて片側に寄せてちゃんと女として見てもらえるように身だしなみを整えてから天元と布団の上で膝を突き合わせたのだ。
しかし、そんな私の渾身のお誘いもキョトンとして首を傾げる天元に私の顔は熱くてたまらない。
「だーかーら、大丈夫だって言ったろー?ほら、寝るぞ。」
「て、天元…待って…!んっ…。」
まぐわいは無くとも天元は必ず寝る前に口づけをしてくれる。
今も私の手を引くと簡単に彼の腕に収まり、熱い唇を押し当てられたことで、悶々とするのは私。
準備万端で彼に抱かれる気満々だった私はそんな口づけだけでも十分、秘所を濡らしてしまうほどには欲求不満だ。
それなのに一度きりの口づけを終えると「さ、寝ようぜ」とニカッと笑う天元に私は限界を迎えた。
思いっきり彼の上に乗っかり、肌蹴た夜着を更に開くと天元の下半身に顔を埋める。
それは今までしたことないほど積極的な行動だったけど、私に性欲がないと思ったら大違いだ。
私だって好きな人と一緒にいたら体を重ねたいと思う。
「っと、ちょ、…?ほの花?!お、おい…」
明らかに動揺している天元をそのままにまだほんのり勃ち上がりかけたばかりの男根を見つけると間髪入れずにそれを口に含む。
「ッ…!ほの花…、おい…。ま、待てって…、な?話せばわかる…から。」
聞きたくない。
聞きたくないよ。
話すって何を?
私に女を感じなくなったって?
だから抱けないって言うつもりなの?
そんなこと言わせない。
得意じゃない口淫も天元との関係を取り戻すためならいくらでもやる。
口に含んだ肉棒を口内で舌を使って舐め上げるとピクンッと反応する天元。
女として見てくれなくても反応はしてくれる。
それはまだ遅くないと言うこと。
口内でどんどんと膨れ上がって行く肉棒に嬉しくなった私は夢中でそれにしゃぶりついた。
少しでも彼に気持ち良くなってほしい。
女として見てほしい一心だった。