第4章 遭遇
「そういえば、アイツは来たか?」
ふいに轟が尋ねる。
「アイツって、、、勝、ダイナマイトのことですか?」
静かに頷く2人。
「それが、今日はまだ。昨日は私が目覚めるまで居てくれたんですけど、、、」
「そうか。じゃあまだ話はしてないんだな」
「そうみたいだな」
顔を見合わせて何やら話す2人。
「あの、ダイナマイトに何かあったんですか?」
さくらは胸騒ぎを覚えた。
「いや、お前は何も心配しなくていい。それに必要があると思ったら、アイツが自分で言うだろ」
「そそ、さくらちゃんはなーんも気にしなくてオッケーだよ。それにその前に俺らは全部片付けるつもりだし」
「、、、? 一体何が、、、?」
さくらがそう尋ねかけた時、扉がガタン!と乱暴に開けられた。
「あっ、、、」
そこに居たのは今度こそ爆豪だった。
「あ?テメェら、来てたのか」
だけど何となくいつもの覇気が無いような気がする。
「あぁ、爆豪。けど、もう帰るつもりだ」
「そそ、あとは2人でごゆっくり♪」
「うっせー!何がごゆっくりだ、バカ!」
上鳴がウィンクを飛ばすと爆豪が怒鳴る。
やっぱり、いつも通りかも、、、?
「あ、そだそだ、これ、渡すの忘れるとこだったぜ。はい、さくらちゃん、これ快気祝い」
何やら袋を渡される。さくらは恐縮した。
「えっ!そんな悪いですよ!ちょっと頭ぶつけたくらいで、、、」
「いーのいーの!ちょっとしたジュースだし。差入れと思って、後で飲んじゃって!」
「あ、ありがとうございます」
お礼を言って受け取ると、上鳴は満足そうに笑った。
「じゃあな、爆豪。巡回がてら聞き込みもしてくっから、お前はちゃんとさくらを守るんだぞ」
「言われなくても分かってるわ!」
「さくらちゃんにこれ以上悲しい思いはさせらんねぇもんな!」
「あぁ、、、頼んだ」
何を話してるんだろう?
だけどみんな、プロになっても仲良しなんだな。
さくらは3人のやり取りを見ながら、ヒラヒラと手を振って見送った。