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【ヒロアカ】マイスーパーヒーロー

第3章 変化


あれから何日経った?


爆豪の最後の記憶はあの晩に見た夜空だった。


途切れ途切れに思い出すのは、疼く背中の傷と熱にうなされる自身の声。
それと誰かが自分の名前を呼ぶ声。
この声は、、、。
見上げるとそこには見覚えのある白い天井。


ここは救護室か。
あぁ、俺は運ばれたのか。
情けねぇ。
早くアイツの部屋に行かねぇと。
戻るって約束した。



起きあがろうとしたら背中が疼いた。


「ッ、、、クソが」


痛みで顔をしかめながらも、爆豪は無理矢理上体を起こした。


カーテンの向こうではカチャカチャと音がする。
リカバリーガールがいるんだな。


「おい、、、っ、ババァ」

声をかけると音が止んだ。
爆豪は続けた。


「俺は起きたからな。もう帰んぞ」


バッ!!


言い終えると同時にカーテンが勢いよく開く。
カーテンの向こう側にいたのはさくらだった。


「は、、、?」

「ッ!ダイナマイト、、、ッ!!」


さくらは爆豪の顔を見るなり、爆豪に抱きついてきた。


「良かった!良かった!目が覚めたんですね!!」

「オイ!コラ!痛ェって!オイ!」

「うわーん!もう起きなかったらどうしようって、ハッ!ごめんなさい!!」


爆豪の怪我のことを思い出したのか、申し訳無さそうに離れるさくら。
涙目で爆豪のことを見上げる。


「あの、調子は?」


爆豪はさくらの姿に頬が緩むのを感じた。
そんなさくらの頭にそっと手を乗せる。温かい。



「もう大丈夫だ。すぐ戻るって約束守れなくて、その、すまんかったな」


ふるふるとさくらが首を振る。


「ううん。そんなのどうだっていい」


そして


「おかえりなさい、ダイナマイト。ちゃんと帰ってきてくれただけで十分です」


涙を拭って微笑んだ。


「ッ、、、」

「?」

「不意打ちかよ、、、コラ」

「え?何て?」


独言の後、真っ直ぐにさくらを見つめて、その細い腰を引き寄せる。


「えっ」


あったかくて、焦っていた鼓動が少しずつ戻っていくのが心地いい。


あー、、、これは、まぁ、あれだな。
抱きしめて、その体温を感じて、確信する。


「あ!もしかしてまた気分が悪くなりました!?」

「、、、」


、、、違うけど。



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