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異世界で手玉にとられる話 ※R18

第5章 帰り道


すっかり日が暮れた街。

ヒナはよろけるように不安定に歩く。

「大丈夫?ごめん…ちょっと激しくしすぎたかな」
「い、いえ!だ…大丈夫です!」

ヒナは腹に残る異物感を堪えた。そして無理矢理笑顔を作る。

「あ…あの…ルイさん…今日はありがとうございました!おかげで…ちょっと自分に自信が持てるかもしれないです…」

「…はは…君変わってるね…まぁいいけどさ」

「…それで、えっと……今度っ……」

ヒナは言葉を詰まらせる。
普通に、お話ししたい。
もっと仲良くなりたい。気づいたら初めてを捧げてしまっていた相手。
できることなら恋人になりたい、なんて…。

しかし、心のどこかでわかっていた。

「……」

言葉を詰まらせるヒナを見て、ルイは何も言わず、微笑んだ。

「次お休みの日、教えてよ。また、一緒に過ごそう」

「………あ…は…はい!」

ヒナは明るく、しかしどこか寂しげに微笑んだ。
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