第7章 驚愕*
side.五条悟
「ただいまー」
「痛っ!」
家に帰るとキッチンで名前の声がした。
「名前?」
「あっ、おかえり」
「どうしたの?何かあった?」
「指、切っちゃって」
はっ?
この包丁が?
名前を傷つけたわけ?
彼女を傷つけるもの等、この世からなくなればいい。
気づけば呪力を使って、包丁が“ぐちゃっ”と捻り潰していた。
「えっ?今、包丁…」
「ほら。指、見せて」
「あ、うん」
思いの外、浅い傷口にホッとする。
君を傷つけていいのは僕だけなんだよ。
それを分かってる?
僕は名前の指を口に含んだ。
「ちゅっ」
「あっ、ちょっ!汚いから」
「名前に汚いところなんてないよ」
名前の血の味がした。
何だろう。
身体が火照ってくる。
指を舐めながら勃起するなんて。
僕はどれだけ変態なんだろう。