第35章 休暇⑧
「名前。真鶴の海は見なくていいの。きっと綺麗だよ?」
「うーん。じゃあちょっと見ていこうかな?」
「高速で1つだし折角だからね」
「うん」
オープンカーなんて初めて運転したけど。
マリオカートみたいでちょっと楽しい。
「名前。飛ばし過ぎじゃない?」
「私、ペーパードライバーだから許して♥」
「ははっ!完全に楽しんでるね!いいよー!僕がいる限り事故らないしね♥」
「流石にドリフトは出来ないけど、最高だねっ!」
海岸沿いをオープンカーでドライブ出来るなんて、夢みたい。
悟さんは海を見て、身を乗り出した。
「名前が好きだー!」
「ちょっとっ!何してんの!?」
「海に向かって叫んでる」
「そんな事叫ばないでよ!」
「思いの丈を叫ぶのは楽しいよ!スッキリする!」
これお巡りさんに見られたら、ダメなやつ。
完全に怒られるから止めて。
2人で牢屋にぶち込まれたくないよ。
悟さんに構っていたら。
あっという間に真鶴ICを降りてしまった。
「お願いだから。もう大人しくしててね?」
「はいはい。怒った顔も可愛いねー♥」
うん。
全然、反省してないね。