第25章 休暇1日目
side.五条悟
東京の空なんて見たってキレイだと思わない。
どっかの田舎。
例えばタイの山奥の10月とか。
それなら君に天の川を見せてあげられるのに。
君と蓮と心と4年後くらいなら、皆で行けるのかな?
心の目にも焼き付けてあげたい。
「悟さん?どうしたの?」
名前を呼ばれて僕の妻を見る。
「東京の夜も、悪くないね」
「そうだね」
名前の笑顔がみれるなら、僕はどこでもいいのかもしれない。
「ねえ?大人の時間って感じだね」
「そうだね」
本当はバー&ラウンジにも、連れて行きたかったけど。
君のその悩殺ワンピースのせいで今日は無理そう。
だからシャンパンで我慢してね。
隣でほろ酔い気分の奥様。
「名前は、今日、リフレッシュできた?」
「できた。できた。ずーっと寝てたらキレイになっててビックリ!」
「ははっ!一応僕もスパに行ってみたんだけど、どう?」
「あー…うん…カッコイイ…よ」
「名前の嘘つきー」
君の笑い声が響き渡った。