第21章 友情
私もだいぶ酔いが回ってきた。
「それにしても名前の旦那さん遅くない?」
「やめてよ―!噂すると来るんだから!」
もう少し独身気分を味わっていたい。
「あははっ!噂すると来るってウケんだけど!ストーカー?」
「あははっ!近い近い!」
「名前ちゃーん♡それ誰のことかな?」
艶のある声を聞いて、冷や汗が流れた。
一気に酔いがさめる。
「こんばんはー♡お姉さん方。僕が名前の夫の五条悟でーす♡」
「いやー♡ちょーイケメン♡」
「よく言われますー♡」
「キャー♡ハグしてー♡」
「ははっ!それは妻の手前。ちょっとねー♡」
「えー!じゃあチューしてー♡」
「あははっ!もっとダメでしょー♡」
最早、酔っ払いの餌食。
それをのらりくらりとかわす悟さん。
皆、飲兵衛だから…
何だか申し訳ない。
とりあえず横に悟さんを座らせる。
「こちらが旦那様の悟さんです♡」
「宜しくねー♡」
「宜しくー♡」
悟さんは、あっという間に、この場に溶け込んだ。