第16章 不穏*
硝子さんのいる医務室で時間をつぶしていた。
「外。騒がしくないですか?」
「そうだな」
呑気にお茶を啜っていると、桃ちゃんが加茂くんと棘くんを連れてきた。
「えっ!?何があったの!?」
「特級呪霊がっ!侵入してきたのっ!」
「はぁ?とりあえずここに寝かせろ!」
なんとか加茂くんと棘くんを診察台に乗せる。
特級呪霊って何?
嫌な予感がしてならないよ。
「名前。お前は加茂を頼む。狗巻は任せろ」
「えっ?あ、はいっ!桃ちゃん。蓮を見てて?」
「分かった」
私は加茂くんの手当てをしようとする。
でも呪術師の手当てってどうすればいいの?
分からない…
加茂くんの顔を見て、もたもたしてられないと思った。
分からないけど、やるしかない!
悟さん、ごめんね。
メスを手に取り指先を切る。
じわりと流れる血を傷に垂らす。
すると徐々に傷口が塞がっていく。
良かった。
効いてる。
それにしても外では一体何が起こってるの?