第3章 狂愛*
私の部屋の前に着くと。
悟さんは何食わぬ顔で、カードキーを差し込んだ。
“ピッ”という電子音と共に、部屋の扉が開く。
えっ?
ちょっと、待って?
そこ私の部屋だよね?
「ほらほら。どうしたの?部屋、着いたよ?」
「そこ…私の部屋なんだけど…」
何で私の部屋のカードキー持ってるの?
「さっき支払いは済ませたから大丈夫だよ」
「そういう問題!?」
「別の部屋なんて、時間がもったいないじゃん」
「だからって勝手に…って、うわっ!」
言い争いというか、私が一人で憤慨していると。
ふわりと横抱きにされてしまう。
「ちょっ、下ろしてっ!」
「だーめ♡」
悟さんは私を抱えて部屋に入ると、ベッドへ向かう。
えっ?
まさかエッチするの?
ゆっくり下ろされて、手足を拘束するように。
悟さんが覆い被さってきた。
「さっきの質問の答えだけど。後でいいかな?」
「えっ?」
「今すぐ君が欲しいんだ」
そんな艶っぽい声で囁かれたら。
私、おかしくなっちゃうよ。
「でも、私___んんっ」
キスで言葉を遮られる。
まだ心の準備が出来てない。