第11章 輪廻*
「今は多いよ。先に白無垢で祝言挙げて、披露宴はドレスとか」
「そうなの?」
知らなかった。
何故に私より詳しいのだろう。
「僕。こう見えても28だし。年齢的に付き合いでお呼ばれするんだよね」
「そっか」
確かに悟さんの年齢ならそうだよね。
「それで?」
「ん?」
「この雑誌を見てるってことは、僕と添い遂げる覚悟が出来たってことでいいのかな?」
そんな風にニヤニヤされると、素直にうんと言えなくなる。
悟さんの膝の上に座り直し、触れるだけのキスをする。
キョトンとする悟さん。
私にとっては最大の肯定の示しだった。
「ははっ!」
「笑わないでよ!」
恥ずかしさで泣きたくなる。
「ごめん。ごめん。うん。ウエディングドレスも白無垢も両方着よう。何せ一生に一回なんだから」
「…ありがとう…」
「もう一回キスして?」
「やだ」
「じゃあ僕から」
悟さんは私の後頭部に手を回し、深く口づけをしてきた。