第16章 たったひとつの (五条悟)
悟の腕の中から抜け出してベッドに横たわる。背を向けて鼻まで毛布を被って目を閉じてみた。
「…?」
『……』
「あ〜!♡誘ってるんだ?♡」
『え、ちが…ちがう…っ』
すぐ隣に横たわった悟の熱が伝わってくる。
包み込むように後ろから抱きしめられて脳内では警鐘が響いてる。これじゃいつもと同じだって。
「ってば大胆〜っ♡」
『違うってばもう…っ離れて!』
「やーだ♡」
腰を引き寄せられてゴリっと何かが当たる。私はこの感触をよく知っている。
『ねぇ…だめ。』
「ひどくなぁい?僕のこーんなに期待しちゃって大変な事になってるんだけど責任とってくれるでしょ?」
『私のせいじゃない…っ』
「にしか反応しないから100億%のせいで間違いないよ〜♡」
ごりごりと私のおしりで自身を擦りあげる悟の息が少しずつ上がっていく。腰を押さえていた手は太ももをいやらしく撫であげている。
「はぁあ♡の身体も熱くなってきた♡すべすべして気持ちいね、食べちゃいたい♡」
『だめ、さとる。手どけて…?』
「んー?こっちむいてごらん。僕のこと見て?」
『んんッ』
「びくびくしちゃって可愛いね。僕とのキス気持ちい?」
『だめ、なの…ッ』
流されてる…このままじゃだめだ。
悟からの好意を受け止める覚悟もないのに。
「僕はからの好きを独り占めしたいんだよ。お前の全部が欲しい。恵にも悠仁にも分けてやるつもりはない。」
『だからそれは…』
「今はまだ僕から愛されてるだけだいいからさ。愛させてよ。ね?」
悟の声が身体を溶かすみたいに耳元から流れ込んでくる。中心が疼くのがわかる。このまま素直に悟のものになっちゃおうか、なんて考えがよぎるのは頭が回ってない証拠。