第16章 たったひとつの (五条悟)
やっっっっっちまった…!!!
朝起きると隣で寝ていたはずのがいなかった。絶対怒って自分の部屋戻ったんだ…!
「ふ、伏黒ぉぉお!!!」
「朝からうるさい。なんだよ。」
隣の部屋にノックもなしに押し入ると風呂上がりの伏黒がだるそうに俺を睨む。
「俺やっちまったかもしれない!!」
「はあ?」
「伏黒昨日何時に帰ってきた!?」
もしかしたら隣の部屋の伏黒に聞こえてたかもしれん!
「い!ま!だ!よ!」
「お疲れ様伏黒きゅん!俺の話聞いて!?」
「疲れてんだよ後にしろ」
「俺…っのこと好きじゃん!?」
「話すのかよ、んで知らねえよ」
「好きなの!好きなんです一目惚れなんです!でね!?昨日釘崎と3人で俺の部屋で勉強してたんだけどさぁ…!」
「嫌な予感がするんだが」
「釘崎先に帰っちゃってさ!んで俺部屋で二人きりとか初めてだったしなんかいい匂いするしで…告白とかすっ飛ばして押し倒しちゃった…」
「で?押し倒しただけならなんとでもなるだろ」
「んなわけないでしょ!美味しく頂いちゃったよ!!?」
「その後は」
「隣で寝てたはずなのに起きたらいなかったデス…」
「着替えとか準備とかいろいろあんだろ。普通に部屋戻っただけじゃねえの?」
「それならいいんだけど…」
「てかクラスメイト食うなよ!気まずくなんだろ!」
「いや好きなんだって!彼女にしてえの俺は!」
「順序考えろって」
「わぁってるって!だからやべえと思って伏黒んとこ来たんでしょうが!」
「俺は寝るからお前はとりあえず謝りにいけ!じゃあな!」
何だかんだいつも相談に乗ってくれる伏黒は優しい!部屋からつまみ出されたけど愛の裏返しだって分かってる!
とりあえず着替えて…の好きな飲みもんとお菓子買って詫び入れるか…許してくれっかなぁ…。