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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第15章 青の日々 (及川徹)



及川の瞳が薄らと濡れて揺れている。

『ずっと待っててくれてありがとう』

「そんなの俺が勝手に…待ってほんとに泣きそう…っ」

『好きだよ及川』

静かに溢れた涙が花火に照らされてる。

「…っごめん…俺ダサすぎる」

『及川が泣いてるとこ初めて見たかも』

「そりゃ好きな子に泣き顔とか晒せないよ…っ」

『これからは全部見せてね』

「もう!泣かせに来てるよね!?」

『ねえ及川…花火全然見れてないよ』

「さすがにこの状況で花火気にする余裕なかったです…。」

ごめんね、ってしゅんとしてしまった及川の頬に触れる。まだ涙で濡れている頬を指で拭うと驚いたように瞳が見開かれた。

「…ちゃん?」

『どうして…ずっと待っててくれたの?』

はっきりと付き合えないことを何度か伝えはずなのに、それでも及川は待っていてくれた。

「ちゃん以外を好きになる未来が見えなかったから。相手がちゃんじゃないなら一生彼女いらないって言ったの本心だったし。」

『私が及川のこと好きにならなかったらどうしてたの…』

「それでもずっと好きだったよ」

そう口にした及川の目があまりにも優しくて私の方が泣きそうになる。こんなに想ってくれる人はたとえ100年生きようが出会えないと思う。

「ほんとに夢みたい…ちゃんが俺の彼女…?」

『そうだよ』

「ちょっと俺のほっぺつねってみて…」

放心したように花火を見つめる及川が頬をつねって確認して欲しいと言う。

『そんな事しなくても夢じゃないよ?』

「いや、お願い」

『じゃあ遠慮なく。』

差し出された頬を思い切りつねった。
いつも岩泉がするみたく思い切り。

「……っった!!強い強い!!?」

『どう?痛かった?』

「痛すぎる!岩ちゃん仕込み!?」

『じゃあ夢じゃないね』

今度は顔を紅く染めて緊張したように私を見る。

「…こ、恋人ってことは…さ。」

『うん?』

「…その、俺と…っき、キスとか…っ他のそれ以上のこととか…するんだよ…?いいの…?」

『うん、いいよ』

「……まじすか…っやばいなんか心臓痛い…!」







to be continue…
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