第15章 青の日々 (及川徹)
「ちゃんって高校どこいくの?」
中3の夏頃ずっと気になっていたことを勇気をだして聞いた。俺はバレーがしたかったから青城に行くってずっと決めてたけど。あと岩ちゃんもね。
『私の志望校知ってどーすんの』
「好きな人の事だから知りたい。だめ?」
この頃の俺は好きですってオープンに伝えてた。相変わらず他学年からの告白は減らなかったけど同学年の女の子たちからはほとんど無くなった。最初こそ言いがかりとかつけられてたみたいだけど俺の方が相手にされてないって知って今じゃ応援してくれるほど。
『私は青葉城西に行くつもり。』
「えっ」
『青葉城西』
「き、聞こえてる。青葉城西って青葉城西?」
まって。うそ…一緒?
『青葉城西ってひとつしかないでしょ。何をそんなに驚いてるの。』
興味が無さそうな彼女はすらすらとペンを走らせて日誌を書いてる。
「俺も青城なんだけど…っ」
『うん。知ってるけど。』
「え、待って。え、期待していいやつ?」
『え?ううん良くない』
「なんっで!だって知ってて青城くるんでしょ!?」
『ずっと前から青城って決めてたんだもん。』
もんって…かわいい…!!
「俺だってずっと前から決めてたよ!?なんで青城なの!?」
『制服可愛いから。青城の制服着たい。それだけ。』
な…っっるほど?????
たしかに青城の制服可愛いですもんね!?真っ白なブレザーなんて俺が着たら王子様確定演出みたいなもんだし!?
あー…でも…
「俺がいるからってわけでは…?」
『ないですね』
「ですよねえ…」
えーーーん!!でもいい!それでもいい!
ちゃんとまた同じ学校に通えるんだからそれでいいです!十分幸せです!
『及川部活の時間迫ってるけど行かなくていいの。私が日誌引き受けた意味ないんだけど。』
「あっほんとだ!日誌任せてごめんね、行ってくる!」
『いーえ、また明日ね。部活頑張って。』
「え、うん!うん!また明日ね!部活頑張る!」
『ふはっ、早く行きなよ笑』
わ、笑ったぁああ!かぁわいい…!
なになに今日なに!?いい事しかない!
あとで岩ちゃんにも話そーっと!!